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若年性アルツハイマー病,2020 年 8 月の診断 あまりがっかりしないように気をつけます…

森林生態学なヒトたちの逡巡と将来への展望…

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https://en.wikipedia.org/wiki/Kinabalu_Park

今日は,めずらしくというか,森林生態学のデータについて,ちょっとした生態学研究についての会話がありました.そもそもは,「こういうデータあるんだけど「けんてい」どうしましょう…といった相談だったんですよね.南方の島の森林のハナシなのですが,けっこう大きい島で,あちこちに調査地があり,それでもまだまだいろいろあって…という,広大な地域をあっちにうろうろ・こっちでころころ…と.はい,ゆいしょタダしい実験計画法とかの作法(森林生態学に使える手法はほとんどなさそう),観察者が「このあたりが,このあたりの地域を代表する森林構造かな…」といったフィーリング重視の樹木構造の記録…のようでした…わざわざ変な場所で調査する人もいないでしょうし(なんとなく…の予想).

それはいいのですが,形式的に「けんていにかける」という操作はありえるのでしょうが…私にそのあたりのことを質問…ということで,回答しようもなく「分散ぶんせきでダメなら,ノンパラメトリックとかはどうだろう」といったヨワきっぽさが,ちょっとばかり…

じつは,これは「その分野」については,何も問題がないのです.実際のところ.森林生態学の論文を査読するのは,たいていの場合,同じよう分野どうしで査読をするので,「みんながこういう方法を使っているから,いまいちわからないけど同じようにすればいい」という雰囲気になります.「けんてい」も誰かに教えてもらったソフトウェアの使いかたを習得し,必要なデータ・セットを入れて p < 0.05 といった値となれば「ゆーい」…で決着しがちです.

このあたり,調査研究している人たちを揶揄しているわけではなく,広大な地域における森林の動態研究というのは,そういう困難性があるなぁ…などと,私などが勝手に妄想している森林研究者たちの行動観察でした.

結局のところ,私の意見としては,あまり「けんてい」とかで無理やり p < 0.05 といったアウトプットを出力する努力に費やすのではなく,将来なにか森林構造をときあかす調査手法の改善などを悠長に待つ…しか,なさそうですね.

そんな悠長なことでは…と思われるかもしれませんが,森林生態学における,きちんとした data paper を提出する…といった地道な作業が必要ではないかと思います.つまりしっかりした記載ですね.また近年はドローンや林冠の三次元モデリングなどの技術も普及しつつあるので…時間はかかりそうですが,おもしろいことがわかってくるのでは…ないでしょうか.まあ,自分で書いてて,ほんとに,いいかげんな森林ざつだん,でしたね.私はけっこう楽しかったです.